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人格否定する傲慢な宮内庁

2004531

宇佐美

 

 皇太子さまの、欧州3カ国訪問前に記者会見に於けるご発言を新聞毎日新聞2004年5月11日で読み大変お気の毒に存じました。

 

 皇太子さま 雅子には、外交官としての仕事を断念して皇室に入り、国際親善を皇族として大変な重要な役目と思いながらも、外国訪問をなかなか許されなかったことに大変苦悩しておりました。今回は体調が十分でなく、本人も大変残念がっております。

 雅子にはこの10年、自分を一生懸命、皇室の環境に適応させようと思いつつ、努力して来ましたが、私が見るところ、そのことで疲れ切ってしまっているように見えます。それまでの雅子のキャリアや、そのことに基づいた雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です

……

 

 そして、更に驚いたことは、次のような記事(朝日新聞5月28日)でした。

 

 宮内庁の湯浅利夫長官は27日の定例会見で、今後、皇太子ご夫妻の相談相手として、天皇家の重要事項の相談役である宮内庁の参与に積極的にかかわってもらう考えを明らかにした。湯浅長官は、皇太子さまに「帰国後、なるべく日を置かずに真意を聞きたい」と面会を求めていたが、同日までに実現していない。皇太子さまは、発言の反響を踏まえ、真意をどう説明するか熟慮中とみられる。

 

 (この湯浅発言「具体的に何を指すのかわからない。ご真意を聞いてみませんと」は、皇太子さまのご発言後(翌13日には宮内庁の湯浅利夫長官の定例会見)にもありました。)

 

 更に、「皇太子さま、よく考える時間が必要」とのおかしな記述もあります。

……

 林田東宮大夫は、湯浅長官に会ってどうするのかについては、皇太子さまに「よく考えていただいている」と話した。自身も相談に乗っているものの、皇太子さまの考えを「はっきりした形ではうかがっていない」と語った。……

 

 この様な発言をされる方が宮内庁の長官(或いは、東宮太夫)として務まるのでしょうか?

そして、この様な疑問を何故どのマスコミも発していないのでしょうか?

皇太子様の“雅子の人格を否定するような動きがあったことも事実です”との発言があったなら、その真意を皇太子さまにお聞きする前に、自分達宮内庁の全員で「ブレーンストーミング」でも行い、反省した後、改めるべき点を書面に認め、御拝読頂くべきではありませんか!?

 

 ところがマスコミも湯浅氏的感覚のようです。

毎日新聞(2004年5月25日)では、真鍋光之(社会部)との署名入りで、次のように書かれていました。

……

 皇太子さまの会見で感じるのは、ご夫妻と側近との対話の乏しさだ。「人格を否定」が、宮内庁に向けた言葉だとすれば、会見を通じて「批判する」「批判される」という関係は普通ではない。日ごろから対話があれば発言は違ったものになったのではないか

 

 何故この様な記事が署名入りで登場するのでしょうか?

同じ毎日新聞(5月12日)の記事でも、私は、次の記事には敬意を表します。

 

国民なら誰にも保障された基本的人権も大きな制限を受けるのが皇族の立場である。主権者である国民は、その「総意」をもって国の象徴的役割を皇室に求めている。ならば国民とその負託を受ける役人には、皇族の意思を尊重したそれなりの作法が求められよう。その作法には国民の品位と品格が映し出される

誰が何を言おうと皇族は余人をもって代えられない立場だ。……

 

 湯浅、林田両氏が「皇族の意思を尊重したそれなりの作法」の心を持っていたら、“帰国後、なるべく日を置かずに真意を聞きたい”と発言してり、それを容認することはないはずです。

況わんや、毎日の真鍋記者のように“ご夫妻と側近との対話の乏しさだ”等と記述しないはずです。

(湯浅、林田両氏は、対話が無くても、両殿下のご真意を酌み取る事が出来る心を持たないならば、辞職されるべきです。)

 

 なのに、“真意を聞きたい”と、自分達の日頃の行動を肯定した上、尻を捲ったような発言されては、皇太子さまは大変御困惑され、お困りと存じます。

 

 

 何故、両氏はこの様な傲慢な態度を取られるのでしょうか?

その傲慢な態度の温床と思われる記述を、サンデー毎日(5月30日号)に見付けました。

 

“深層リポート 「皇太子会見」の衝撃”には次の記述がありました。

……
「あのような発言をされること自体、東宮職は何をしているのかと思いますよ」
 天皇、皇后両陛下に側近として長年仕えた宮内庁OBは、声を高ぶらせ、そう語った。
両陛下の記者会見で話されることや文書回答でも宮内庁挙げて、“てにをは”を含めて、事前チェックしますよ。今回は、皇太子さまは、たとえば、“後ろ髪を引かれる思い”だの、“人格の否定”だのと話をされましたが、表現をもう少し和らげる工夫などのアドバイスをすべきでした。やはり、雅子妃殿下のご体調が心配とのお気持ちは分かりますが、ご公務で行かれる以上、『後ろ髪を引かれる』というような気持ちをおっしゃっていただきたくなかったですね、相手国に対して、失礼になるのではないでしょうか」

 

 これは皇太子さまが雅子さまを今回の訪欧に同行できなかったことに対して、記者会見で、「出発に当たって後ろ髪を引かれる思いです」と述べたことについてコメントしているのだが、このOBの力点は、皇太子さまの気持ちを忖度した上で、東宮職がこうしたチェックを事前にできなかったことへの憤りなのだ

 皇太子さまの会見での発言は、事前に宮内記者会や外国通信社から出された3問の質問に対して、皇太子さまが自分で答えを用意したものだ。……

 

 成る程、日頃から、両陛下、両殿下の“記者会見で話されることや文書回答でも宮内庁挙げて、“てにをは”を含めて、事前チェックします”と云うのでは、知らず知らずに宮内庁の役人達は、両陛下、両殿下を自分達が教育指導しているのだと誤解し始め、傲慢な態度を取るに至るのだと感じました。

 

 しかし、宮内庁の役人達は、何様ですか?

例えば、サンデー毎日の記事中の「長年仕えた宮内庁OB」も何様ですか?

ご公務で行かれる以上、『後ろ髪を引かれる』というような気持ちをおっしゃっていただきたくなかったですね、相手国に対して、失礼になるのではないでしょうか”とのご自身の発言をその宮内庁OBはどう思われますか?
反省されていますか?

 

 皇太子さまは、デンマークのフレデリック皇太子の結婚式、スペインのフェリペ皇太子の結婚式に御出席(ポルトガルは親善訪問)の為、お出かけになられるのです。

 ご結婚式に、お一人で出席される皇太子さまのお心が喜びに溢れている方が異常ではありませんか?

 

結婚式は、新しいご夫婦の門出の日です。

その式へ妻帯者が単身で喜気として参列する方が変ではありませんか!?

フレデリック皇太子、フェリペ皇太子ご夫妻にしても、雅子妃殿下の御容態を案じなされると思います。

その旨を皇太子さまにお尋ねになった際、“なんらご心配には及びません”とのお答えになるより“心配で後ろ髪を引かれる思いで参りました”とお答えなる方が、互いに御夫婦の絆の尊さを認め合い、その心配を押さえ込み単身で式に参列された皇太子さまへ強い感謝の念を抱かれるのではありませんか?

 

 私達一般人ですら「地位は人を育てる」と云われています。

ましてや、両陛下、両殿下のお立場の重要性は私の考えも及びません。

 

 なのに“両陛下の記者会見で話されることや文書回答でも宮内庁挙げて、“てにをは”を含めて、事前チェックしますよ”との言葉が、宮内庁内を支配していた良いのでしょうか?

宮内庁の役人達がどの程度の地位か?どのようなお人柄か?は、私には判りませんが、「両陛下、両殿下の全てのお心お気遣いなどが理解出来る」とは、愚鈍な私には全く想像出来ません。

 

 心の荒みきった今の私達日本人にとって、「宮内庁役人達に事前チェックを受けない」今回の皇太子さま発言のような、両陛下、両殿下の心情溢れるお言葉こそが必要なのだと存じます。

 

 

(追記)

 

 今回の問題で、美智子さまのご苦労の種が、私には判ったような気がしました。

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